欠かせない稽古
8月8日 土曜日
大人10人 子供10人 福田 保先生
体の変更
諸手取り呼吸法
正面打ち入身投げ
座り技 呼吸法
片手取り一教 表技
片手取り一教 裏技
片手取り二教 裏技
出稽古の方が土浦の道場、かすみがうらの道場にはよく来てくれます。
私がその方たちと稽古方法やその考え方などのお話しするのがとても楽しいです。
うちの道場では「体の変更」から始め、次に「諸手取り呼吸法」を稽古します。
最後は「座技の呼吸法」。稽古の決まりです。
私はこれを当たり前と思って稽古してきましたが、余所では必ずこのルールに限ったことではないそうなのです。
「体の変更」は稽古したとしても「諸手取り呼吸法」は毎回はやらないというパターンが多いようですね。
諸手取り呼吸法はとても難しい難しい技なんです。
「日常的(実戦的)には、人の手を諸手取りに掴むなんて現実的じゃない。だからそんな稽古をしてもあんまり意味はない」
などと否定してる合気会で七段以上の高段者を知ってますが、これは大先生批判ともとれるものなんです。
ツールとして実際に人を打ち倒すのに使えるかどうかの価値観しかなく、諸手取り呼吸法が合気道の真髄に触れるための鍛錬だという考えがないようです。
福田先生曰く
『大先生は必ず「体の変更」からはじめて、次に「諸手取り呼吸法」と稽古をすすめていくんです。
時々、稽古の前に神様の話が始まっちゃって、どんどん稽古時間がなくなってくるんだ。大先生の稽古は一時間しかないからね、時間は貴重なんですよ。
大先生は和歌山のほうの訛りがある喋り方だしよ。茨城の俺らには聞き慣れない言葉だから、大きい声出されると怒られるみたいに思って怖いんだ。(´Д` )
俺らは、大先生のお話は難しくて、何言ってっんのかあんまりわかんなくてな〜
道場の板の間で、30分も正座してると、足も顔の前に組んだ手も痺れてくるし、早く終わらないかな〜って思ってたりしてな。(⌒-⌒; ) でも大先生は何十分話していても平気なんだ。
稽古時間が残りわずかになってきて「おお、もうこんな時間か」といって稽古開始になるんだけども、「体の変更」と「諸手取り呼吸法」は欠かさなかった。
だから俺も同じようにやるんです。大先生が必ずやったんだから。それが一番大事だからですよ。
「体の変更」と「諸手取り呼吸法」と「座り技の呼吸法」これができれば合気道は全部できるんだ。
でもこの三つがわかんなければ、他はなんにもできないよ。』
福田先生の道場では毎回、半分以上の時間を「体の変更」と「諸手取り呼吸法」と「座り技の呼吸法」に費やします。
初心者には細かく細かく指導してくれます。私も入門時は親指一つ分の向きから調整していただきました。
「福田先生の稽古は技数が少ない」と不満を漏らしたり、「多くの技を身に付けたい」ということで余所に行っちゃった人もいましたね。
福田先生曰く
「体の変更、諸手取り呼吸法、座り技の呼吸法、この三つはシンプルだから、ごまかしがきかないんです。
基本ができないから変化だの、工夫だのって必要になる。
それも時々必要になることはありますけど、基本技がうまくいけば必要ないんですよ。
困ったときは基本を思い出す。基本に帰ってこれるように基本技を稽古してしっかりしとかないといけないんです。
基本がちゃんとしてないから迷子になっちゃうんですよ。」
茨城道場での植芝守央道主の稽古に参加したことがありましたが、そのときも体の変更からはじまり、諸手取り呼吸法、そして稽古の終わりに座り技の呼吸法でした。
大先生の時代から、変わらず最重要の技の稽古なんです。