考えるな、感じろ!

福田先生が二人に左右の手を思いっきり諸手取りでつかませてから呼吸投げで投げ飛ばしたり、二教で極めたりします。

福田先生の二人取りの呼吸投げ等の技などは受けたり見たりするたびに新鮮な気持ちで愕然とします。

合気道を稽古すればするほど、どれほど難しい技かもわかってくるからです。

 

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かすみがうら合気会”所属の私は弐段をいただいた時から、弐段として恥ずかしくない技術を磨くために稽古量を倍にしようと福田先生のもう一つの道場である“土浦つくば合気会”にも入門して稽古を積んできたのですが、稽古量に対して自信はあまりつきません。

稽古を休むのは不安でたまらなくなるから絶対できませんが、稽古すればするほど下手になっていくような気持ちすらしますから始末が悪いです。
 

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《性来どれほど腕力が強く、闘争好きであっても、またどれほど勇気に富み大胆不敵であっても、稽古を始めると共に、初心者の捉われない気持ちのみならず、彼の自信をも失うようになる》〜「弓と禅–オイゲン・ヘイゲル」〜
 
弛まぬ稽古によってさまざまな技法は学んでゆくので、自分より下位の稽古生には理屈でも技をうまく極めることができるようになりますが、熟練した先輩には小手先の理論やテクニックで歯がたつことはなく、手のひらで遊ばれてるようで敗北感に唇を噛みます。
人より稽古を多く積むことによって優越性を持つことはできたが、経験や知り得た技能に依存してその場その場の対応力、心の自由さを失ってしまいます。
 
「Don't Think. Feel!(考えるな、感じろ!)」〜 ブルース・リー
 

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今日、稽古が終わった後の空き時間に、中学生の女の子のナツキちゃんの腕を諸手取りで締めました。
齋藤さんが
「ナツキちゃんの諸手取りの呼吸投げがとてもうまくなってますよ。小島さん、持ってみてください、すごいですから」
と興奮していたので、どれどれおじさんに持たせてみいとガッチリ締めてみました。
「小島さんに持たれたらダメですよ〜」
なんて初めこそ彼女は照れて謙遜していたんですが、なんのなんの、とてもスムーズに合わせられて崩されました。
いやあ、ビックリしましたよ。初段くらいの大人よりよっぽど上手です。
本人は感覚でやってるようであまり自覚はないようですけどね。
まさに「考えるな、感じろ!」ができている。
大人になって、いろいろ見て学んで理屈で考えるようになると、見えなくなるものが多い。真面目で勤勉な修行者ほどおちいりやすい落とし穴です。
 
《半ば戯れに、半ば真剣に、その場その場の瞬間や闘志が彼に思いつかせるまま、剣を振り回していた時よりも下手になっている》〜「弓と禅–オイゲン・ヘイゲル」〜
 
ナツキちゃんは素直に体と交信できるから、本能的な感覚で動ける。この感覚を大事に練習していってほしい。
ナツキちゃんがもっていないテクニックを私は多くもっていますが、
私が今一番欲しいものをナツキちゃんはもっているのです。
 

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