『ルーム ROOM』 を観た

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久しぶりに奥さんと二人で映画に行きました。
「ROOM」を観てきました。
「監禁ホラー」ものとは一線を画す、まあそんな宣伝はしてないか。
私は閉所恐怖症気味なので、初めの監禁部屋の「インサイドパート」は胸が詰まるような感じで辛い!苦しい!。映画館の暗闇で余計にそんな感じになります。
 

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ブロンドの長い髪の5才になったばかりの女の子のような男の子ジャックは生まれてから一度も部屋から出たことがない。
六畳くらいの部屋で天窓がひとつしかなくて空しか見えない。
ドアはあるんだけど、重い鉄の扉でロックされて絶対開けられない。
ジャックは開いたところを見たことがない。
ママからはこの「部屋」だけが本物の世界で外には何もないんだと教えられている。
だけどママはちゃんと子供に本を読ませたり字を書かせたりして、教育はしっかりやっている。
2人だけの世界。
夜になってジャックは部屋にあるクローゼットに寝かされる。
夜中に目が覚めてしまって、クローゼットの隙間から部屋の中を覗くと、暗がりで部屋の鉄のドアが大きな男が入ってくる・・・・
ママが「ニック」と呼ぶその男は食べ物や服とかいろんな必要なものを持ってくる。無いはずの外の世界から。
ニックはママを犯してる。5歳のジャックは性的なことはわからないだろうけども、なんだかママがいじめられているような気持ちを感じる。
 
最近、ニックが失業したことをママは聞き、これから物資が届けられないかもしれない、もしかしたら監禁の発覚を恐れてニックに私たちは殺されるかもしれないと考えたママは脱出計画をたてる。
そしてママはジャックに全てを告白する。
19才の時にそのニックという男に誘拐されて、彼が庭に作った小屋に監禁されて7年目になるんだと。
ママはジョイっていう名前だったんですけど。5年前にジャックをこの部屋で産んだと、外の世界は大きく現実で無限に広がってるんだと。

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脱出したところでゴール映画じゃなくてそこで半分。「アウトサイド」へ。
その後がこの映画のすごいところでした。
19歳という誰しもが夢見がちな青春時代を誘拐監禁されてまんま奪われて、すごい心の傷を受けた女の子。
世間は彼女をかわいそうだとは思ってもなんだかいやらしい視線をぶつけてくる感じ?がする。
彼女が誘拐犯に犯されて生まれた子供ジャックに対しても。
テレビの取材で「なんで逃げなかったのか?」「子どもだけでも外に出せたのでは」って責めるインタビュアーまでいる。どうかしてる!
ジョイは世間のみんなが敵に見えてしまうし、どうやって生きていけばいいのかさえわからない、希望を見出し方法もわからなくなってしまう。もう人を愛せないかもしれないと・・・・
誰にも会いたくなくなるし、ジャックにも八つ当たりしちゃう。
ジャックは未来に向かってどんどん成長していくのに。
生まれてから一度も部屋から出たことがない子供が外の世界を徐々に知って、進化して成長していく様をジャック視点のカメラワークで見せていくのがとんでもなく見事ですばらしい映像体験。
どんどん成長していくジャックに対し、ママは過去から、あの「部屋」から逃げられない。

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ラストに向かって片時も目を離せなかったです。
愛することも信じることもどうしたらいいかわからなくなっていくママに対し、世界とのつながりを、愛を見つけていくジャックに泣ける泣ける。
 
ショーシャンクの空に」など、外の世界を知らなかった人や、閉じ込められた人が、どんどん世界を知っていく、壁を突き破る、越えていくっていう映画のはものすごく好きです。
ジャック役を演じたジェイコブくんはとてもとても素晴らしかった。
これこそ本物の技、お見事。

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