「実戦!芦原カラテ」を読む②

 

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本を読んだだけで芦原英幸氏の空手の凄みを理解できるわけなどないのですが、端っこに触れただけでも芦原氏の哲学というか武道への考え方の柔軟さに感動します。
 
多くの武道家は、得てして伝統的なものを大切にするあまりに、流儀や流派の「型(形)」に手足も、頭も囚われてしまって、柔軟性を失ってると感じることがあります。
その傾向は多流派を非難するような人に、特に感じます。私の近くにもそういう人は少なからずいます。
 
芦原氏の発想は流儀や流派に縛られてなくて、とても柔軟です。
私の師範、福田保先生や、心の師ブルース・リー先生の教えと重なるところが多く、とても共感しまくりです。
 
「常に有利なポジションをとり、相手の動きをリードし、打たせずに打つ、当てさせずに倒すことを目標に修練を積む。崩して攻め、反撃するヒマも与えず倒す方法なのである。」
「相手が攻撃できないポジションから自分が攻撃できるのが理想」

 

福田先生
「相手の力に逆らわずに、自分の力もぶつけない。相手の気持ちを貰っちゃうんです。いつも、相手の攻撃が当たらない安全な場所にいることを気にかけていると、相手を崩すための正しい位置をとれる。」
 
 
道場では先輩が後輩をサバく。その場合、後輩にパンチを打ち込む必要はない。的確にサバいたとことですでに勝っているからだ。相手を叩きのめさずに「まいった」と言わせることが可能なのだ。 後輩はサバかれないような鋭い技を身につけるようにする。理にかなった動きを身につける。」
 
 
福田先生
「合わせて、崩せばいいんです。スピードが早いとか遅いとかではないんです。糸で繋がってるように相手の動きに自然に合わせる。」
 
「相手をちゃんと崩せたら技は終わってるんだから、その後は受け身が取れるようにおさめてやる。ドーンと床に叩きつけたり、ギリギリと痛めつけることは必要ないんです。ぶん投げた本人は気持ちがいいかもしれないけど、それは意地悪ですよ。
 先輩は、後輩が正しい動きをしてるようなら受け身をとってやる。固い稽古っていうのは理にかなってる動きを身につけるものなんです。」
 
私は「実践!芦原カラテ」を読んで芦原英幸氏から多くのヒントをもらいました。体の使い方などは合気道の稽古で実践しています。
多分、合気道をやっていなかったら「実践!芦原カラテ」を読んでもちんぷんかんぷんだったでしょう。他武道を柔軟な気持ちで学ぶほうが、当然、遠ざけるよりは何倍も得られるものがありますよ。
 

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