稽古日誌

5月26日(月) 土浦武道館

合気会八段 福田 保先生

大人12人 子供3人

体の変更 

諸手取り呼吸法

正面打ち二教 裏技

正面打ち入り身投げ

 

諸手取り呼吸投げを川原さんと、

二教の裏を女性の近藤さんと稽古しました。

いつも道場一番乗りの齋藤さんがいないので淋しいです。

 

近藤さんとの二教の稽古のときに彼女から言われたのは

「小島さんは体捌きが大きいですね。腕よりも体全体で二教が

極められてる感じがします。」とのこと。

基本技を丁寧に、小手先でない崩しを大一にと心がけてるので嬉しい褒め言葉です。

以前から、福田先生の古参の弟子である土浦支部の三浦先輩や、かすみがうら支部

の諸先輩たちは教えてくれました。

「昔は先生も大きく技をやったよ」と。そう言って「ビシィィィっ」と

極めてくれました。ごちそうさんです。

私は多くの先輩達に聞きながら私の知らない10年前、20年前の福田先生の

稽古法や技を勉強しています。これは今の先生を目指すのならば当然必要なこと

だと思います。福田先生もその昔先輩達にこっぴどく指導を受けた話しをして

くれました。二教などは道場の床に這いつくばり、引きずられるような

激しい技だったそうです。例え痛くても怪我していても弱音は一言も漏らせなかった

そうです。

 そういった話しを聞いたり、見た目も関節技の印象が強烈なので、二教は

手首の痛みによって崩れると思ってる人が多いと思います。私も始めはそうでした。

白帯のころに二教などの関節技が痛くて怖くて、道場の近くまで来たけど

帰ったことが2度3度ありました。懐かしい思い出です。

 そのころから現在まで福田師範の二教技を受けてきて、私の手首も鍛えられました。

そうして私がわかったことは、

【崩れたからこそ極る】

です。先生が入り身投げや呼吸投げの時に口酸っぱく言う

「最初に崩さないとダメだよ。投げるのは後でいいの。」

は別に投げ技に限った事ではなく、関節技であってもそうなのだと思います。

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稽古途中に近藤さんに言いました。

「私は先生に年がら年中関節技を受けてます。多分誰よりも多くね。

だから手首も結構鍛えられた。今日の始めに先生から受けた二教も

手首は全然痛くなかったんです。では何ともないかと言われると

とんでもない。先生が二教の体制に入ったとたんに足腰から砕けて

立っていられない。いつもこれこそが本物の技だと実感します。

私のように大きく技をする人は少ないけど、今の私はこの方法しか

出来ないし、先生に近づく為の道はこれしか無いと思ってるんです」

 

現在の福田先生は動きが小さく腰や足の捌きが殆どわかりません。

まさにマジックのようです。

でも先生は言います。「上半身の動きは下半身にある。腰と足が大事」

私は下手なので足も腰も見た目にわかるくらい大いに使い探求するしかないのです。

技の修練。これはどの世界でも一緒。

大工さんや工芸家などの職人だって基本の技術が身に付いているから

力が抜けるんです。達人と未熟者の違いです。

素人は釘一本を真っすぐ打つのだって難しいんです。意識しすぎるからです。

考えなくても体が動くレベルまで稽古するしかないんですね。

でも間違った稽古法ではとんでもない遠回りになる。

私はこれでも二年前よりは要領よくなり、動きも小さくなってきたんです。

私の修練の方向は間違っていません。福田先生が見張っていてくれるからです。

 

近藤さんが私の真似をしながら、ぎこちなくも技を大きく、相手を

足腰で崩す事に注意しながら稽古していたら、福田先生がニコニコしながら

私どもの所へ来てくれまして

「基本はこうやんだよ」と私の手をとり

大きくて、それでいて無駄の無い、現在の私や白帯さん達にとって一番見たい

理想的な“岩間スタイル”の体捌きでピシッと極めてくれました。

素晴らしい!やっぱりこれでいいんだ。

ガッタガタに足腰から崩され、手首には脳天まで電気が走ったような痛み。

私の眼にも体にも焼き付けるように。隣で見てた近藤さんはどうだったかな?

 

彼女にとっても財産になるといいですね。