当身のついて
土浦つくば合気会 毎週 月曜&水曜 pm7:00
桑原塾 毎週 木曜 pm7:00 にて稽古
先日の稽古で「当身」について考えました。
先輩の稽古生2人が、道衣も着ていない入門したての新人さんに「当身」の指導をしていたのを見かけました。
その先輩方は元空手経験者ともう一人は岩間合気道を信奉する人です。
「喧嘩パンチの指導」、「空手の蹴り?の指導」をしたり。または「樹脂製のサバイバルナイフ」を道場に持ち込んで指導していることもあります。
私はそれらを見かけるたびに首をかしげながらも何か学べないものかと観察しています。
今のところはっきりわかったのは彼らが良いか悪いかは別として、福田先生の指導方法や考えとはかなり隔たりがあるということです。
演武大会などで初めて合気道の技を見た人は攻撃者を傷つけることなく無理なく捌く合気道特有の技の美しさと優雅さに惹かれると思います。私も初めのころはそうでした。
土浦の道場にもそんな合気道の魅力を知って自分も華麗な護身術を身につけたいと思ったり、ストレッチ効果など健康作りのためとか、女性や子供や年配者が毎月数人体験&入門してきます。
他の武術に見られる男臭さ、荒々しさしさがないためハードルが低いんだと思います。
老若男女の初心者達が混じる稽古は必然的に迫力を欠いたものになります。
空手やボクシング経験者ならともかく、まったくの初心者に「打ってこい!突いてこい!」と言っても有効な打撃技などできるわけがないのですから。
そんな事情もあって、その2人の先輩から見た現在の合気道の稽古には
「合気道は武道性を失った」とか
「本来の合気道はこんなものではない」
などといった“もどかしさ”を感じてるのだろうと思います。
二人の考え方も半分位はわからないでもないですが、福田先生はその人それぞれの能力に合わせた指導の仕方をするので、基本的には初心者には当身は教えません。
しかしそれは福田先生が
“当身は和の武道である合気道ににふさわしくない”
などといった考えで教えないわけではありません。
現に「かすみがうら合気会」では有段者が多いので多くの当身の指導もされています。土浦つくば合気会でも主に私や齋藤さんが当身の指導は多種受けています。
入門当初、当身の重要性について質問したことがあります。
福田先生
「当身は大事ですよ。大先生も当身が大事だって言っていた。でも合気道がわかんない人に当身を教えちゃうとそればかりに気を取られちゃって動きが固くなるんですよ。」
体が緊張して固くなって行う技は力技になりがちで無理な技になるので、先生は「肩の力を抜いて、膝を柔らかくして」と指導されます。
正しい姿勢で自然に呼吸して、平常心を保ち歩くように技を行うこと、自分の姿勢(重心)は絶対に崩さないことが一番いいと指導してくれます。
そういった福田先生の合気道の基本を理解できていない人が当身を教わってしまうと、当身を強調した荒々しいポーズを作ることに夢中になりがちなので、「当身は慎重に指導する」と戒めているのでしょう。
福田先生
「当身の格好が大事なんじゃない。ここなら敵の攻撃を受けない、こちらの当身が効果がでる場所に立ってる(入身)ことのほうが大事なんだよ。相手を殴ることが目的じゃないんだから。」
普段の稽古では福田先生はもう目に見えて当身の形をとらなくてもわずかな捌きで効果的な当身を与えることをしています。よく見ていればわかることです。
写真を見るとハッキリわかりますが、元極真空手の有段者であった齋藤さんが腰の入った突きをしているにもかかわらず重心が少しだけ崩されています。
福田先生は相手の動きに合わせて突きをかわしただけです。
当身の型を目でわかるように見せているものと比べてもほぼ同じ効果が現れていることに驚きます。これが私の体得したいと目指している福田先生の当身です。
大先生が手を触れずに崩すという妙技はこの技だと思ってます。
目立って荒々しい当身演出は必要ないのです。
当身とは関連したことで、先輩2人の言う「攻撃の弱さ」に関しては私も思うところがあるのでまた。